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「結願の寺」 |
お大師さまと同行二人で一番から順拝した八十八ヵ所参りの最後のお寺が、結願の寺といわれる大窪寺です。このお寺は行基によって開かれたもので、後にお大師さまがこの地に留まり、奧の院の岩窟で修行し、ご本尊の薬師如来を安置。唐から持ち帰った三国(インド・中国・日本)伝来の錫杖を納めて、結願所としました。心と身体の病を取り除く仏さまといわれている薬師如来は、本来は左手に薬の壷を持っています。しかしここの薬師如来は、手にホラ貝を持った珍しいもので、人々の悩みや苦しみを吹き晴らそうとでもいうかのようです。またここは、珍しく女性の登山も許され、女人高野としても栄えた歴史も秘めています。結願の寺にふさわしく、本堂横には無事八十八ヵ所を打ち終えた人々の杖が、数えきれないほど納められています。 |