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「あげいしさん」 |
ここ明石寺は、昔若い乙女に姿を変えた千手観音菩薩が大石をいただいてこもったといわれています。ご詠歌の「聞くならく、千手のちかい ふしぎには 大盤石も かるく あげいし」とうたわれ、土地の人々からは、「あげいしさん」と親しまれています。寺は欽明天皇の勅願により、円手院正澄という行者が千手観音菩薩を安置して開いたといわれています。弘仁十三年(822)お大師さまがここを霊場と定めて、寺の再興に尽くしたといわれています。そののち、建久五年(1194)に源頼朝がかつて自分の命を助けてくれた池の禅尼の菩提をとむらうため一堂を建て、五輪宝塔の経塚を背後の山に築いたのです。その時、山号の「現光山」を源氏にちなみ「源光山」と改めたのです。昔は入らずの山として崇められた信仰の場で、順拝の人々には本関所として恐れられていたといわれています。 |